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鋭思財経:クロスチェーンとマルチチェーンがつながるチェーンネットワークこそ、ブロックチェーン世界の未来

冯群英
ArcBlockメディア報道レポート

著者: 馮群英

メディア: 鋭思財経

日付: 2019 年 8 月 29 日

2018 年以降、ブロックチェーン 3.0 は業界を象徴するキーワードとなりました。それは、ブロックチェーン技術が実体経済を支え、より多くの人々が分散型アプリケーションを受け入れる潮流であり、ブロックチェーン業界や暗号資産業界に携わる人々の理想でもあります。

しかし、EOS が掲げた「Ethereum を超え、100 万 TPS を実現する」という大言壮語が破綻すると、業界関係者は「ブロックチェーン 1.0 は Bitcoin、2.0 は Ethereum、EOS はせいぜい 2.5 で、クロスチェーンこそ 3.0 だ」と指摘しました。

次世代ブロックチェーン基盤技術の研究開発に取り組む ArcBlock の創業者 Robert Mao は、現在、ブロックチェーンアプリケーションの普及を本当に妨げている主因は、チェーン自体の性能(TPS の低さ)ではないと考えています。交通システムをブロックチェーン世界にたとえるなら、パブリックチェーンの発想は、世界を貫く一本の幹線道路を造り、すべての車をそこに走らせるようなものです。それでは必ず渋滞が起き、これがパブリックチェーンの性能問題の本質です。性能問題を解決する方法の一つは「自動車」を高速化すること、つまりブロック生成時間を短縮することですが、これには上限があります。もう一つは元の車線を広げるスケールアップですが、車線を無限に広げることはできません。現実の交通は、多数の道路と公共交通から成る総合ネットワークです。未来の情報社会も同様に、異なるパブリックチェーンやアプリケーションチェーンをクロスチェーン技術で接続し、価値を相互流通させるチェーンネットワーク構造になるはずです。

TPS に関する誤解

Ethereum の頻繁な混雑と EOS の過剰なマーケティングに影響され、業界ではブロックチェーン 3.0 の実現には TPS を際限なく高め、一つのパブリックチェーンを巨大かつ強力にする必要があると広く考えられています。

しかし、実際はそうではありません。Robert Mao は鋭思財経(ID:RuisiFinance)にこう語りました。「TPS は 1 秒当たりに処理できる取引数です。実際には数千から 1 万程度の TPS があれば、数百万、さらには 1,000 万人規模のデイリーアクティブユーザーを支えられます。現在の次世代ブロックチェーンアプリケーションは、ブロックチェーン性能が利用に足りない段階にはまだまったく達していません。」

ブロックチェーンの性能問題は、シャーディング技術とオフチェーンスケーリングで解決できます。

シャーディング技術はブロックチェーンを複数の断片に分割し、それぞれを異なるサーバーへ配置して拡張するものです。分かりやすく言えば、現在のパブリックチェーンは料金所が一つしかない高速道路のようなもので、渋滞は避けられません。シャーディングはこの高速道路に料金所を複数追加し、自動車が通過する速度を上げることに相当します。

オフチェーンスケーリングは、重要性の低い取引情報をブロックの外へ分離し、ブロック容量不足による大量の取引滞留を防ぎます。

TPS は速度が十分でないというだけです。Robert Mao は、キラーアプリケーションが登場しない本当の主因は、事業者やユーザーのブロックチェーンに対する理解不足と、ユーザー体験の悪さだと考えています。例えば、暗号資産を購入するにはウォレットを登録し、ニーモニックを覚え、送金時に gas 代を支払う必要があります。こうした複雑で煩雑な手順は一般ユーザーに理解・受容されにくく、ユーザー体験が悪ければ利用者は集まらず、プロジェクト側が継続して改善へ投資するのも困難です。

チェーンネットワークが未来

コンピューターネットワークの発展史を振り返れば、ブロックチェーンのクロスチェーンネットワークの未来が見えてきます。

コンピューターネットワークの始祖は 1969 年に稼働した ARPANET です。当時は大半のコンピューターに互換性がなく、伝送速度も極めて遅いため、ネットワークは主に LAN として存在し、相互接続は困難でした。1980 年代に TCP/IP プロトコルが成熟して、ようやくコンピューターネットワークが徐々に形成されました。

現在のブロックチェーン世界は、1960 年代のスタンドアロンコンピューター時代に似ています。チェーン同士は高度に異質で相互接続が難しく、すべてのデータとサービスが孤立したブロックチェーンに閉じ込められています。

クロスチェーンプロトコルは、こうしたブロックチェーンの「孤島」を接続してチェーンネットワークを形成し、分散型アプリケーションの普及を爆発的に促します。インターネットが情報を自由に流通させるネットワークであるのに対し、クロスチェーンでつながるマルチチェーンのブロックチェーンネットワークは、価値を自由に流通させるネットワークです。

Robert Mao は、未来のブロックチェーン世界は、相互接続できる少数のパブリックチェーンと多数のアプリケーションチェーンから成り、チェーン間をクロスチェーンプロトコルで接続する構図になると考えています。他のチェーンと接続できない「パブリックチェーン」は生き残れないかもしれません。チェーンネットワークはエンドユーザーのブロックチェーン利用ニーズに着目し、開発者が用途に応じてチェーンをカスタマイズして立ち上げ、分散型アプリケーションを開発し、チェーン間で価値を相互流通できるようにします。一方、パブリックチェーンはすべてのアプリケーションを動かすプラットフォームと実行環境を構築しようとします。ただし、インターネットと企業内ネットワークが共存するように、チェーンネットワークがパブリックチェーンを置き換えるわけではありません。

クロスチェーン実現への数多くの課題

クロスチェーン技術の歴史は長く、最初の概念は「サイドチェーン」でした。1.0 時代には数百のフォークコインが登場し、さまざまなパラメーターやアルゴリズムを変更して性能を向上させましたが、チェーン間に相互運用性はありませんでした。そこで Bitcoin Core 開発者らが設立した Blockstream チームが、ペッグ型サイドチェーンによるクロスチェーン連携案を初めて提唱し、資産をチェーン間で移転できるようにしました。この段階ではクロスチェーンへの需要は大きくありませんでした。Robert Mao は、クロスチェーンには価値のある二つのチェーンを選ぶ必要がある一方、初期のフォークチェーンの価値は明確ではなかったと述べています。

クロスチェーンが業界の焦点となったのは今年に入ってからです。2 年以上開発されてきた Cosmos は時流に乗り、一時は時価総額トップ 20 に入りました。人気を集める Polkadot は、クラウドセール価格 35 ドルから 145 ドルまで高騰しました。

Robert Mao によると、ArcBlock のアーキテクチャは Cosmos に近く、どちらのチェーンネットワーク構造も無限に拡張でき、どのチェーンも中間チェーンになれるため、Polkadot より柔軟です。また Cosmos と比べ、DID(分散型ユニバーサルアイデンティティ)は ArcBlock の大きな強みです。これはクロスチェーンにおける資産所有者の特定という難題を解決します。ユーザーが特定のサービスを利用する際は新しいアイデンティティが必要になります。従来は中央サーバーへ登録しますが、安全性に欠けるうえ、アカウントが増えすぎて管理が難しくなります。DID ならチェーンネットワーク内のすべてのアカウント、ノード、サービスを結び付けられます。

実際の利用では、あるチェーン上の token を別のチェーンへどう「移転」するかが、クロスチェーン技術の重要課題の一つです。この過程は情報フローの伝達だけでなく、その背後にある価値を正確に記帳しながら伝達することでもあります。

現在、広く認められたクロスチェーンの仕組みはまだありません。Robert Mao は鋭思財経(ID:RuisiFinance)に、「現在、クロスチェーン需要がそれほど切迫していないのは、多くのパブリックチェーンが自ら壁に囲まれた庭を造り、他のチェーンへは接続したいが、他のチェーンが自分のチェーンへ接続することは望んでいないためです」と語りました。

クロスチェーン技術そのものも未成熟です。チェーン上の取引をどう同期させるか、オンチェーン資産の安全性をどう確保するか、完全なクロスチェーンネットワークをどう構築するかなど、依然として多くの問題が制約となっています。

クロスチェーンはまだインフラ構築の段階にあり、実現可能な事業になるまでには長い道のりがあります。

原文リンク: ArcBlock 創業者 Robert Mao:クロスチェーンとマルチチェーンが相互接続し、パブリックチェーンを包含するチェーンネットワークこそブロックチェーン世界の未来